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CATEGORY: #試験・計測
投稿日:2026.07.27
試作費や開発期間の短縮が求められる設計現場では、設計段階で製品性能を予測・評価できるCAE解析の活用が広がっています。
CAE解析は、構造・熱・流体・振動・電磁界などの物理現象をコンピュータ上で解析し、設計の妥当性を事前に評価する技術です。
本記事では、CAE解析の概要やCADとの違い、解析の種類、導入メリット、航空機部品をはじめとした活用事例に加え、3Dデータ作成から解析・試験評価まで対応できる外注先の選び方を解説します。
CAE解析を活用するには、まず設計開発におけるCAEの役割を理解することが重要です。
CAEは、CADで作成した3Dモデルを用いて性能や挙動を解析し、設計の妥当性を評価する技術です。
この章では、CAE解析の定義、CADとの違い、解析の基本的な流れを解説します。
CAE解析は「Computer Aided Engineering(計算機援用工学)」の略で、コンピュータシミュレーションによって、製品の性能や挙動を予測・評価する技術です。
具体的には、形状データに荷重や熱、流体などの条件を設定し、応力や変形、温度分布、流れの状態などを数値計算によって求めます。
構造・熱・流体・振動など幅広い物理現象に対応しており、設計段階で設計案の妥当性を評価できます。
試作や実験を補完し、開発の効率化と品質向上に貢献する技術です。
CADとCAEは連携して使われますが、担う役割は異なります。
CADは「Computer Aided Design(コンピュータ支援設計)」の略で、製品の形状や図面を作成するためのツールです。
実務では、CADで作成した3DモデルをもとにCAEで解析し、結果を設計へ反映する流れが一般的です。
そのため、モデルの精度が解析結果の信頼性に影響します。
CAE解析は、大きく以下の3つの工程から成り立ちます。
| 工程 | 役割 | 主な作業 |
| プリプロセッサ(前処理) | 解析条件を設定する | CADデータの読み込み、メッシュ(要素分割)の作成、材料特性・境界条件・荷重条件の設定 |
| ソルバー | 数値計算をする | 設定した条件を基に、応力・変形・温度分布などを計算する |
| ポストプロセッサ(後処理) | 解析結果を可視化・評価する | 応力分布図やコンター図を表示し、解析結果を確認・評価する |
多くのCAEソフトウェアでは、これら3つの機能が一体となって提供されています。
特にメッシュの細かさは解析精度と計算時間の両方に影響するため、前処理の品質が解析結果を大きく左右します。

CAE解析には、構造・熱・流体・振動・電磁界など、解析対象に応じたさまざまな種類があります。
また、それぞれの解析では有限要素法(FEM)や有限体積法(FVM)などの計算手法が用いられます。
この章では、
について、解説していきます。
CAE解析は、対象とする物理現象ごとに種類が分かれます。
設計で扱う機会が多い代表的な5種類を、評価対象と主な用途とともに以下にまとめました。
| 種類 | 主な解析項目 | 主な用途 |
| 構造解析 | 応力、変形、ひずみ、強度 | 部品の強度確認、破損リスク評価 |
| 熱解析 | 温度分布、熱伝導、熱応力 | 電子機器、エンジン周辺部品、熱対策 |
| 流体解析 | 流速、圧力、渦 | 空力設計、冷却設計、流路設計 |
| 振動解析 | 固有振動数、共振、振動応答 | 航空機部品、機械部品、輸送機器 |
| 電磁界解析 | 電磁波、電界、磁界、ノイズ | 電子機器、モーター、EMC対策 |
航空機部品では、構造解析・振動解析・流体解析を組み合わせて、安全性や空力性能を評価することが一般的です。
実際の製品では、温度と応力、流体と構造など複数の物理現象が相互に影響する場合があります。
そのようなケースでは、複数の解析を組み合わせた連成解析が用いられます。
ここでは、代表的なCAEソフトウェアの特徴と主な用途をまとめます。
| ソフトウェア | 特徴 | 主な用途 |
| ANSYS | 構造・熱・流体・電磁界など幅広い解析に対応するマルチフィジックスCAE | 製品設計全般、連成解析 |
| Abaqus | 非線形解析や接触解析、大変形解析を得意とするFEMソフトウェア | 自動車、航空宇宙、機械設計 |
| Nastran | 構造解析・振動解析を得意とするFEMソルバー | 航空宇宙、防衛、輸送機器 |
多くの機能で有限要素法(FEM)が用いられていますが、製品によっては有限体積法(FVM)など他の計算手法も採用されています。
解析目的や対象に応じて適切なソフトウェアを選択することが重要です。

CAE解析を導入する利点は、試作品を製作する前に設計上の課題を把握できる点です。
強度や熱、振動などを設計段階で評価できれば、試作や実験の回数を減らし、開発コストや開発期間の削減につながります。
軽量化と安全性の両立が求められる航空機部品開発では、設計段階でのCAE解析が重要な役割を果たします。
この章では、CAE解析を導入する主なメリットについて、以下のポイントに沿って解説します。
CAE解析のメリットの一つは、試作回数を減らせることです。
従来の開発では、試作・評価・改良を繰り返す必要があり、費用と時間がかかっていました。
設計段階でCAE解析を実施すれば、強度や熱、振動などの問題を事前に把握できるため、物理的な試作を最小限に抑えられます。
試作回数が減ることで、材料費や加工費、評価工数の削減につながり、開発コストの削減が期待できます。
また、後工程での設計変更や再評価も減らせるため、開発期間の短縮にもつながります。
特に、開発初期からCAE解析を活用するフロントローディングは、手戻りのリスクを低減する有効な手法です。
CAE解析のもう一つの強みは、実機試験では把握しにくい内部応力や温度分布、振動モードなどを可視化できる点です。
これにより、強度不足や共振、空力の不安定性などの設計上の課題を早い段階で把握し、対策を検討できます。
また、複数の設計案を比較・評価しながら設計を検討できるため、品質向上や安全性の確保に役立ちます。
航空機部品では、軽量化と必要な強度を両立する設計が求められます。
CAE解析を活用すれば、設計段階で荷重条件や応力分布、振動特性を評価し、必要な強度を確保しながら不要な肉厚を削減する検討を進められます。
例えば、降着装置では荷重や応力を解析し、その結果を基に必要な強度を満たす範囲で肉厚を見直しながら設計を進めます。
ただし、CAE解析だけで設計を完結させることはできません。
実機試験や試験計測と組み合わせて解析結果の信頼性を確認し、最終的な性能や安全性を評価します。
認証においても、CAE解析は試験を置き換えるものではなく、試験と組み合わせることで評価を効率化する役割を担います。

CAE解析を社内だけで運用するには、解析技術者の育成や、高価なソフトウェア・計算環境の整備などが必要です。
そのため、解析業務を外部へ委託する企業も少なくありません。
CAE解析を外部へ委託する場合は、価格だけでなく対応範囲や技術力も確認する必要があります。
この章では、外注先を選ぶ際に確認したい以下のポイントを解説します。
CAE解析では、解析に適した3Dモデルやメッシュを作成できるかが、解析結果の信頼性に影響します。
入力する形状や条件が不適切だと、解析結果が実際の挙動を適切に反映できず、誤った設計につながりかねません。
3Dデータの作成から解析条件の設定、計算、結果評価までを一貫して任せられる外注先であれば、手戻りを減らし、設計変更にも柔軟に対応しやすくなります。
外注先を選ぶ際は、どの工程まで対応できるかを事前に確認しておくことが大切です。
CAE解析では、計算結果を得ることだけでなく、その結果を適切に解釈し、設計判断につなげることが重要です。
前提条件や材料特性の設定が適切でなければ、解析結果を正しく評価できません。
応力分布や変形量、温度分布、振動特性などを基に、設計上の課題や改善点を分かりやすく説明できる外注先であれば、解析結果を設計判断の根拠として活用できます。
特に、解析結果だけでなく、その根拠や前提条件まで説明できるかを確認するとよいでしょう。
CAE解析の結果を設計判断につなげるには、実測や評価試験と照らし合わせて検証できる体制も重要です。
解析と試験を同じ体制で実施できれば、試験条件と解析条件を統一しやすく、結果に差が生じた場合も原因を追いやすくなります。
一方、解析と試験の担当が分かれている場合、条件のすり合わせや情報共有に時間がかかることがあります。
アレックス・ジャパンでは、CAE解析だけでなく、受託試験や計装まで一貫して対応しており、解析結果と実測値を比較・評価できます。
航空宇宙・防衛分野では、強度や安全性に加えて、信頼性やトレーサビリティ(工程・データの追跡性)が強く求められます。
要求される基準が高く、解析の前提や結果の扱いにも厳密さが必要です。
そのため、同分野での設計・解析・試験の実績や、要求に沿った対応ができるかを確認しておくと安心です。
次のような課題を持つ企業は、外注先への相談を検討しましょう。
アレックス・ジャパンは、CAE解析から受託試験・計装までを一貫して支援できる体制で、航空宇宙・防衛分野の部品開発にも対応できます。
3Dデータ作成から解析、試験・評価まで、まとめて相談したい場合はぜひお気軽にお問い合わせください。
本記事では、CAE解析の定義から種類・メリット、航空機部品での活用、外注先の選び方までを解説しました。
要点は以下のとおりです。
CAE解析は、設計段階で不具合を見つけ、試作と実験の負担を抑える技術です。
効果を十分に引き出すには、3Dデータの作成から解析、そして試験・評価までを一貫して任せられる相手を選ぶと、解析結果を実測で裏づけながら設計に生かすことができます。
アレックス・ジャパンでは、設計から解析までを一貫して行っています。
プロジェクトの構想段階からでも、ぜひお気軽にご相談ください。
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